はじめに
例の一件以来、ユッケという焼き肉屋の星は失われました。
大好物だったのに……
――だったら、自分でつくろう!
ということで、つくってみましょう。
牛肉のリスクと殺菌温度
Cooking for Geeks 第2版 ―料理の科学と実践レシピ (Make: Japan Books)、エンジニアのメソッド:「牛肉の真空調理、低温調理に必要な温度と時間」によると
55℃ 食中毒原因菌の生存温度の限界(大腸菌 5.5-8.5分で菌数が10分の1になる)
60℃ サルモネラ菌 15分で殺菌
58℃~65.5℃ 調理された肉の理想的な温度
となり、60℃以上であればリスクはかなり抑えられそうです。
時間を考えるにあたって、厚生労働省の資料によると特定加熱食肉製品(ローストビーフ等)は下記のテーブルで温度の時間加熱しなければいけないとのこと。
第1欄 第2欄
55° 97 分
56° 64 分
57° 43 分
58° 28 分
59° 19 分
60° 12 分
61° 9分
62° 6分
63° 瞬時
今回は60℃で調理しようと思います。
Cooking for Geeksでも料理で最も重要な変数は食品自体の温度であると指摘されています。
寒くなった昨今、トリミングで犠牲になる量が増えることを覚悟して、少し長めの時間をみます。
レシピ例
Anova設定値
設定温度:60℃
調理時間:25分
材料
牛肉塊(ローストビーフ用)
卵黄
〇醤油 大1
〇砂糖 小1
〇コチュジャン 小1
〇ニンニクチューブ 2cm
〇ゴマ 好きなだけ
☆ごま油 大1
やってみよう
まずは〇をよく混ぜておきましょう。
Anovaでプレヒーティングして、60℃に達したら投入。
調理終了時間が近づいてきたら――
(この後、案の定熱くて包丁が握れない始末)
香り立つから、ごま油は後出かけるのが好きな派閥です。
実食
卵黄も生よりトロっと感が増してユッケに絡みつき、なにより久々のユッケに一本一本肉をほどいて食っている悲しい自分。
うまいんすよ、ほんとうまい。
一本ほどいて赤ワイン。一本ほどいて赤ワイン……
――よし、また作ろう
参考資料
エンジニアのメソッド:牛肉の真空調理、低温調理に必要な温度と時間