BBQ検定を受けてみたよ
連休になると、焼き台をセットして、鮮魚店で魚や肉を調達し、下処理をして焼く――
誰にも習わずと、高校時代から河川敷でやってきたオリジナルの遊び。
みんなそれぞれ自己流があって、正解がない。
そんなふうに考えていた時期が僕にもありました。
とはいえ、子供もできたし自己流じゃなくてちゃんと学ぼうとTRYしてみました。
BBQ検定(初級バーベキューインストラクター)の費用
実地での研修及びテストで11,000円でした。
受験の際に動画での受講か、実地かは選べますが、実地研修の金額の方が高いです。
しかしこの試験の性質上、テスト終了して、はい、終了ではなく、
身に着けたい人が受ける試験だと思うので、そう考えると数千円は誤差でノーチョイスで経験できる実地を選択した方がいいと思います。
今回は会長自らの講習でした。
当日のアジェンダは――
- スマートバーベキュー基礎 75分
- スマートバーベキューデモ 90分
- 筆記試験 10分
- エンドBBQ 20分
デモで出来上がりが食べられるのも最高だし、実際体験するのは大きいです。
ということで、実地での受験がおすすめです。
初級バーベキューインストラクター検定を受けてみたら、BBQの深さの片鱗を味わったぜ
受講前は非常に軽く考えていました。
「まあ火のつけかたとかそのあたりが問われるんでしょ」
ところがどっこい。
BBQ協会会長の話を聞くと、そんな程度の話じゃないっていうね。
それだけでは、ただ「火つけがうまい人」レベルとな。
なるほど。
会長が語っていた内容を借りれば
- 日本ではBBQではなく野外焼き肉が行われている - just meal
- アメリカでBBQの起こりは貧しい人が安くて不味い肉をRow&Slowでおいしく仕上げていたノウハウがある
そして、BBQのナレッジをどこで活かすかという議論。
その点についても、日本人の社会の定義が広すぎる点に指摘がありつつも
社会(家族、近隣、地域)の催しでコミュニケーションのかじ取りができる人材が理想像だとか。
単純な技術論なんかよりも広い考え方!
また海外ではBBQのコンテストまで開かれているようです。
とはいえ、あまり考えすぎると逆にBBQができなくなってしまう罠。
話を聞いて自分なりに落とし込んだのは、江戸前の寿司のような考え方がしっくりきました。
江戸前の寿司は見た目も美しく、食べやすい工夫(隠し包丁を入れるなど)どの握りにも”仕事”が施されています。
買ってきた肉をただ焼く → アウトドア焼き肉ではなく
食材にラブ(スパイス)をすり込んだり、調理に時間をかけましょうということでしょう。
BBQでもそれが求められているのだなと感じました。
初級バーベキューインストラクターとして持っておきたい道具
Weber(ウェーバー)のバーベキューグリル
日本では長方形のグリルが一般的です。
▼こんなの
Youtubeで海外の動画を見てみると、丸型のグリルが多いです。
初級バーベキューインストラクター検定のデモの中でも使われていました。
蓋ができてスモークもできるし、円形だから網も落ちにくい(マンホールと同じ原理)からでしょうか。
まあ、グリルは一度買えば相当もつのでいいものを買わないと後であれ買えばよっかったと思うのもしゃくだし。
しかもウェーバーのグリルは10年保証なのでそのあたりもお得。
Weber(ウェーバー)のラピッドファイヤーチムニースターター
火つけもBBQの見せ場の一つですが、チムニースターターならサクッと火が付きます。
江戸前のおもてなしBBQをやるなら火付けに時間をかけるよりも料理に時間をかけるべし。
▼英語ですが、映像で理解できます。
要するにロケットストーブの原理です。
チムニースターターの下の空間に火種(新聞紙を丸めたものに着火する程度でOK)を用意して、
下の炭に少しでも火種がつけば、あとは上昇気流が勝手に空気を取り込み火種を育ててくれますよ、という代物。
めちゃくちゃ合理的。
なんだかうちわで扇ぐのが、非文明的に思えてくるくらい……
▼グリルにチムニースターターがオマケでついてくるだって!!!
チムニースターターを使うにあたって、炭の入れ方もコツがあります。
炭にはいくつか種類がありますが、BBQ検定で押されていた炭は以下2種類。
- チャコールブリケット :炭の粉末を成形したもの(爆ぜる心配がない)。火付きが良いが持続力にかける。
- おが炭 :おがくずを圧縮して成形したもの(爆ぜる心配がない)。やや火付きが悪いが持続力がある。
まず、チャコールブリケットをチムニースターターの3分の1まで入れて、そのあとおが炭で残りの容量を満たし、
丸めた新聞紙に火をつけ、その上にチムニースターターをのせて放置。
以上。
めちゃくちゃ簡単ですが、これで火が付きます。
耐熱グローブ
火を扱うからね。
絶対あったほうがいいし、炭扱うときもてがよごれないよ。
デジタル温度計
BBQで一番怖いのが食中毒。
食中毒を起こす理由はいくつかありますが、肉が生焼けで食べるのも大きな理由の一つです。
特に大きな塊肉を焼く場合は注意したいところ。
目安として肉の中心温度が以下を超えていればいいでしょうと言うボーダーラインがあります。(そして試験で問われます)
- 豚 63℃
- 鶏 65-70℃
- 牛 80℃
これに関しては、どのくらいの時間この温度を持続するのか、や
長時間加熱であればもっと温度を下げてもやれるのでは、といろいろ思うところがありますが、
協会の基準が認定のための基準ですから覚えておきましょう。
https://coomoodoo.org/eat/sous_vide_temp/
火消 壺
安全にBBQを終えるためには炭の始末も重要。
水をかけたり、地面に埋めたりするのは火が完全に消えず自己のもとだったりします。
火消壷を使えば、酸素を遮断して消化できるので合理的。
またそうやって消した炭は、所謂”消し炭”で着火しやすい炭です。
火を安全に消して、そのまま消し炭として保管できちゃう優れもの。
初級バーベキューインストラクターで学べる知識
正直この値段でBBQのナレッジが身に付き、試食もできるなんて超お得な試験です。
その中で学んだことのメモを書いていきます。
炭の配置(チャコールレイアウト)
炭なんて均等に置けばいい、そう思っていた時期が俺にもありました。
夏はまだまだ続く『そんなふうに考えていた時期が俺にもありました』開発Pです。来週、事前登録終了したいッツ!5万人達成はあと少しなのでご登録お願いします。 https://t.co/qecvvuBnnB #刃牙UC #刃牙ってみた pic.twitter.com/Ybe95Onf71
— グラップラー刃牙UC【公式】 (@baki_app) August 5, 2017
https://platform.twitter.com/widgets.js
しかし、調理をするのに火をコントロールできないなんて全然いけてない。
都度炭を調整するのが面倒くさい……
温度は炭の配置(チャコールレイアウト)で調整できます。
チャコールレイアウトには三種類あります。
- ツーゾーンファイヤ(two zone fire)
- スプリットツーゾーンファイヤ(split two zone fire)
- スリーゾーンファイヤ(three zone fire)
ツーゾーンファイヤ
それぞれゾーンに呼び名があるようです。
個人的にゾーンっつったら佐野史郎なんですけどね pic.twitter.com/qnByXa7s2X
— ごじさん (@HighMountain928) August 21, 2019
https://platform.twitter.com/widgets.js
炭がある場所:ダイレクトゾーン
炭がない場所:インダイレクトゾーン
▼ツーゾーンファイヤで1ポンドステーキを焼く
▼インダイレクトゾーンで休ませる
スリーゾーンファイヤ
炭を片面に寄せて、3つの温度帯を作ります。
- 高く炭が積みあがった部分 200℃ 強火ゾーン
- 低く炭が置かれている部分 160℃ 中火ゾーン
- 炭がない部分 120℃ 弱火ゾーン
これで焼きがコントロールできますね。
スプリットツーゾーンファイヤ
両サイドに炭を配置して真ん中にアルミホイルなどを入れる。
▼これ使ったら楽ちん
直火じゃなく火入れをしたい場合に使います。
これで調理したチキンの胸肉めっちゃおいしかった。
肉の柔らかさで焼き上がりをチェックする(OKテスト)
人差し指、中指、薬指でOKサインを作ったときに親指の付け根の肉の柔らかさで
肉の焼き加減をチェックするテスト。
- 人差し指でOKサインしたときの柔らかさ レア
- 中指でOKサインしたときの柔らかさ ミディアム
- 薬指でOKサインしたときの柔らかさ ウェルダン
難点は肉を触らないと、柔らかさが比較できないところ。
家族だったらいいけど、みんなでやるときに肉を触るのはちょっとね。
嫌がる人もいそうというね。
手のひらで炭の温度を測る(ミシシッピテスト)
網から15センチくらいでone ミシシッピ、twoミシシッピと数えることで大体の温度を調べるテスト。
なぜミシシッピなのかは早口で言いにくい言葉だからだそうです。
確かに早口しやすい言葉だったら、人によってぶれそうです。
ミシシッピテストの基準。
- 1ミシシッピ 200℃
- 2ミシシッピ 160℃
- 5ミシシッピ以上 120℃以下
まとめ
めっちゃ楽しかった。
チャンスがある人は受けてみることをおすすめします。
いや、ほんと。
YoutubeでBBQ動画見入ってしまいそう。