読もうと思った理由・期待したこと
よくPDCAを回せと言われます
しかし、P(プラン:計画)、D(ディレイ:遅延)、C(チェンジ:リスケ)、A(アポロジャイズ:謝罪)からの、P(Pray:祈り)になりがちです。
数多くの書籍の執筆そして何度も何十分にも及ぶ動画投稿をしているメンタリストにタスクをうまく回す計画術を学びたいと思い、この本に手を伸ばしました。
本の概要・あらすじ
まずは物差しを手に入れよう
よく計画を立てる段になって、なんとなく作業見積計画を立ててしまっているということがあります。
このなんとなくが致命的で、何となくであるがゆえに余裕がなく、小さなインシデントが発生しただけで窮地に立たされかねません。
まずは作業を見積もるためにログを取り、自分の物差しを手に入れましょう。
どんな作業に何分くらいかかっているというの、平均で取れれば、仮に定形外の作業時間も類似作業の時間から積み上げて算出することができます。
また、ログを取ることに関して言えば、アカウンタビリティ・チャートというものを活用することで、作業に対する時間が高まるという研究があります。
詳細はパレオな男こと鈴木祐著「最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~」で説明されていますが、アカウンタビリティ・チャートは1日の時間を90分単位で区切り、その90分でどんな作業をやったかということを記録する手法です。
そうすることで90分単位の時間で何ができるかというおおよその目安ができるので、時間感覚が養われるというものです
90分というのは、まさにウルトラディアンリズムに基づいた単位だと考えられます。世界トップのバイオリニストの練習時間を調査したところ90分集中して練習40分休憩を入れるというリズムで練習していることが分かりました。
90分より短い尺度でこなせる仕事であればポモドーロ・テクニックを使えば集中して作業に取り組めるということがわかっています。
ポモドーロ・テクニックとは作家のフランチェスコ・シリロによって考案されたもので、25分集中して5分休憩するというサイクルで仕事を進めることで常に集中した状態で取り組むことができるというテクニックです。集中する時間と集中しない時間を繰り返すことで、一定水準集中力が維持できるというものです。
正しい方法でゴールを設定する
目標設定や、ゴール設定方法についての研究に対して38の論文集めメタ解析したところ、最も工学的なゴールの設定方法としてアイントフォーフェン工科大学の研究チームはMACの原則をまとめました。
- メジャラブル :測定可能性 : 目標が数字として測定可能であること
- アクショナブル:行動可能性 : 目標を正確に把握し、そこにたどり着くまでのプロセスを明確に書き出せること
- コンピテント :適格性 : 目標を達成することが、自分の価値観に基づいていること
さらに、この方法でゴール設定をサポートする疑問形セルフトークというものが紹介されています
- 本当に本当にできるのか
- なぜ自分はこれをしたいのか
- どのように自分はこれをするのか
- もっとうまくやるには
- いつ自分はこれをするのか
上記の5点を自身に問いかけてMACを設定することで、より確かなゴール設定ができるというものです。
サボるを計画に組み込む
ポルトガルカトリック大学の実験によると週に1回チートデイを作った上で2週間のカロリー制限をしたグループと単純に2週間のカロリー制限をしたグループを比較したがあります。
この研究によると、チートデイを作ったグループの方がダイエットに成功しただけでなく、ダイエット期間中に楽しさを感じ減量へのモチベーションがより高くなったそうです。
別の実験を通して、チートでは週間に1回全体の活動量のうち15%程度が良いことが分かっています。
あえてサボる日を計画することで、もうどうにでもなれ(Whatthehell Effect)を防止できます。
さらにモラルライライセンシングも防止できます。モラルライセンシングとは、今日はいいことをしたから、これぐらいはルールを破ってもいいよねという免罪符的な感情です。
あえてチートデイを設けることで、その日にモラルライセンシングを行使し、ガス抜きをはかるわけです。