手に取った理由
この本はオーディオブックで何度も聞いていました。
仕事がストレスフルだった時にストレスコントロールについての本を探していた時に見つけました。
最近改めて、紙書籍を購入しました。
理由は本に書いてある内容が育児中の今こそ実践してマインドフルな育児をすることで、家族と良好な関係が築けると考えたからです。
この本ではストーリー形式でストレスコントロールについて説明が行われています。「嫌われる勇気」もそうですが、ストーリー形式の本はオーディオブックで聞くと楽しめて何度も聞けるのでおすすめです。

本の概要
イエール大学に研究者としてわたったナツがひょんなことから、叔父の経営しているベーグル屋モーメントの経営を立て直す物語です。その中でモーメントのスタッフが抱えてる問題点、そしてナツ自身が抱えている問題をイエール大学ラルフグローブ教授(通称ヨーダ)から、マインドフルネスの手ほどきを得ながら解決していきます。
物語の中で紹介されているストレス対策はすべてエビデンスのあるものです。
マインドフルネスとは
マインドフルネスは瞑想を海外でまじめに研究した科学者やその効果に企業に取り入れたGoogle、実践していたスティーブ・ジョブズ等に効果を再発見して逆輸入した心のストレッチです。
マインドフルネスに関しては、チャディー・メン・タン「サーチ・インサイド・ユアセルフ」、ケリーマクゴニガル「スタンフォードの自分を変える教室」、メンタリストDaiGo「超集中力」、パレオな男(鈴木祐)「超ストレス解消法」、ショーン・スティーブンソン「SLEEP」など、多数の書籍でその効果が紹介されています。
マインドフルネスをすることのメリットは本書の中で4つ紹介されています。
- 集中力向上
- 感情コントロール能力の向上
- 自己認識の変化
- 免疫機能改善
また、上記のほかにも、マインドフルネスを習慣化することで脳自体にも変化が生じます。
マインドフルネスを1日5分程度でも毎日することで、脳の神経ネットワークにいい影響を与えるようです。研究によると累計3時間に達すると集中力、自制心が向上し、累計11時間を超えると集中力にかかわる神経ネットワークが増加し、1週間に累計3時間ペースを2か月以上持続させると前頭葉前皮質を形成する灰白質が向上したというほうこくもあります。
またマサチューセッツ大学のジョン・カバット=ジンが従来の認知行動療法にマインドフルネスを組み込んだマインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)を8週間実施したところ大脳皮質の厚さが増し、後述するデフォルトモードネットワークをコントロールする脳の部位のつながりが高まったという研究結果が得られました。
マインドフルネスをすると脳の大脳皮質が厚くなったり、脳の筋トレのようです。(というと脳筋のように読めてしまいますが……)
脳が過去や未来をさまよっているときに活発になるDMN
デフォルトモードネットワーク(DMN)は、脳が思考のループ、無意識に現れては消える思考をしているとき、過去の失敗、未来に対する不安を考えているときに活性化する脳の機能です。これはボーっとしていても活発に活動する機能で、脳の消費エネルギーの60から80%を占めていると言われ、意識的に作業をする際に、増加するエネルギーが5%程度なので、DMNが非常に燃費の悪い機能であることがわかります。
また体が自動操縦状態にあるときにDMNが活発に働きます。例えば皿洗い中に、あれしなきゃこれしなきゃと考えているときにはDMNが活発になっています。
マインドフルネスで重要なのは、今現在に注意を向けることです。
マインドフルネスのトレーニングをすることで、今ここに意識を向けることができて、意識を過去や未来にさまようことが減りDMNの活動を抑制できます。
マインドフルネスのやり方
マインドフルネスのやり方は簡単で、目を閉じてリラックスできる体勢をとって呼吸に注意を向けます。呼吸に意識を向ける時に、1、2、3……とラベリングするのも効果的です。ラベリングすることで別の考え(雑念)が浮かびにくくなるからです。
7秒吸って7秒で吐いてという風に呼吸にラベリングすると今ここに意識を向けやすいです。
(7秒というのは例であり、呼吸しやすいように変えればよいと思います。そして必ずしも吸う秒数と吐く秒数は対象でなくても問題ありません)
そして雑念が浮かんだからといって、自己批判をしたり、そこで投げ出したりせずにただ雑念が浮かんだということを認識(メタ認識)してそっと呼吸に意識を戻します。
それを反復して繰り返すことで、いうなれば瞑想筋肉が鍛えられます。
本文中では、マインドフルネスをする時の姿勢として、背中はシャッキリ、お腹ゆったりした姿勢が提案されています。
また、他にはムーブメント瞑想というものも紹介されています。
ムーブメント瞑想というのは、例えば歩いている時に、今右足を出している左足を出しているなど、自分の行動に対して実況するような形でおこない、今ここを意識する瞑想です。
ほかにも食事瞑想等もありますので、ぜひ書籍を手に取ってみてください。
睡眠について
「SLEEP」でも睡眠が脳の洗浄に重要であることが述べられていました。
本書でも睡眠の重要性について記載されています。
睡眠によって脳脊髄液という洗浄液がアミロイドβタンパク質(脳の疲労物質)を洗い流します。
アルツハイマー認知症の患者は長年DMNを使いすぎ、DMN内にアミロイドβタンパク質が非常に多くたまってしまっているようで、睡眠を削るのはまさに命(クオリティオブライフ)を削っているようなものですね。
僕は育児で睡眠時間が細切れになる中でなるべく睡眠の質を向上しようとトリプトファンや5HTPをサプリで摂取しています。
入眠しやすさを向上するためにマグネシウムも併せて摂取すると効果的ですね。
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食事について
本書では地中海地方の――いわゆるパレオダイエット的な――食生活がストレスや心臓にいいと紹介しています。
本から学び実践していること
マインドフルネス瞑想は一日少しでも一人の時間が取れるときに実施しています。湯船につかるときや買い物のときなどです。
サーチ・インサイド・ユアセルフで「時間がないなら一呼吸でもいい」と書かれているので、気が楽ですね。
掃除やお散歩をしながらムーブメント瞑想
例えば風呂掃除をしているときや食器洗いをしているときには、自動操縦状態になりがちです。そうするとDMNが活発化して脳が疲労してしまいます。さらにDMNが活発に動いているときに、どうしようもない過去の失敗や、未来に対する不満等が想起してメンタルによろしくないです。
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