はじめに
最近舞茸が注目を集めています。
テレビでは主にMXフラクションのダイエット効果に注目が集まっているようです。
今回注目するのは舞茸の酵素とその至適温度です。
観点としては至適温度で低温調理すれば肉がよりやわらかくおいしくなるんでないか? という前提の下で実験してみました。
対象は――
- マイタケアミノペプチターゼ(温度 65℃)
- プロテアーゼ (温度 55℃)
です。
マイタケアミノペプチターゼの温度では、タンパク質の凝固温度を超えているので肉は固くなりすぎ、
プロテアーゼの温度ではいい感じになるのではないかという風に想像しながら実験しました。
比較対象は同温度にオリーブオイルだけ入れた牛肉です。
ちなみに、65℃帯の加熱時間はタンパク質ベースでここの情報から。(おいしく食べたいので……)
- 65℃で25分(15㎜級のステーキだったため)
- 55℃で60分
ではいきましょう
65℃で舞茸酵素(マイタケアミノペプチターゼ)の働きを調べてみる
Anova設定値
設定温度:65℃
調理時間:25分
材料
- 牛肉
- 舞茸
- オリーブオイル
検証①

舞茸。 天ぷらにするとおいしいよね……

ほぐして

オイル入れて

ハンドミキサーでガーっとしましょう

今回の被験者

対比します。あ、ハーフパンツがうつってますね。パンツマンじゃなくてよかった。

温めたAnovaへ

引き上げてみると……

ミオグロビンが赤く⋯⋯ない……見るからに堅そう

この差です。オリーブオイルだけの方は、固く縮んでしまっています。なんだか舞茸入れたほうがほぐれた感じで、取り出すときに自重で繊維が剥離して穴が開いたレベル

焼き目をつけましょう。

付け合わせも舞茸っていうね。左が舞茸、右がオリーブオイル

左がオリーブオイルのみ右が舞茸。
完全に、舞茸入れたほうに軍配です。
柔らかく、ジューシー。
それでいて舌触りも悪くない。
まさにこれです。
刃牙はやっぱりグルメ漫画だな。 pic.twitter.com/DjgFE80Nv6
— コモド (@comodo_dev) November 22, 2018
酵素の働きもあるかもしれませんが、舞茸をいれたことで熱が通りにくくなったのかも知れませんね。
55℃で舞茸酵素(プロテアーゼ)の働きを調べてみる
Anova設定値
設定温度:55℃
調理時間:60分
材料
- 牛肉
- 舞茸
- オリーブオイル
検証②

舞茸。 もったいないから使用後はリサイクルしてデュクセルにしよう。

オリーブオリーブと一緒にハンドミキサーでガーッと

そしてお肉

こんな感じで

設定温度になったらAnovaりましょう

さぁ時間だ

見よ、ミオグロビンが紅く燃えている

下が舞茸。表面が荒れてます。柔らかい。

焼き目をば

上が舞茸。両方いい感じ

下が舞茸。上行ったり下行ったり申し訳ねぇ

舞茸

オリーブオイル
食べてみると⋯⋯
舞茸ステーキ、びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛ぃ゛
と言いたいところですが、完全に普通に作った方に軍配。
酵素が働きすぎたのか、口に入れると表面がボロボロと、さらに肉を頬張った時のもっしゅもしゅ感がなく、手間をかけたからこっちの方が美味いはず!というバイアスを差し引かなくても完敗です。
おわりに
まあ、舞茸とステーキは別々に食べましょうという話ですね。
そもそも低温調理したステーキが美味すぎて、評価が厳しくなってるのかもしれません⋯⋯
参考資料
農業及び園芸「マイタケ由来タンパク質分解酵素の食品 加工利用」西脇俊和