はじめに
最近、離乳食のアクセントに様々な出汁を一番おいしく取れる方法を模索しなています。
前回は昆布だしをとってみました。
今回は椎茸出汁を抽出しようと思います。
椎茸はコレステロール低下作用や血圧低下作用がみられるエリタデニンという成分や、特有の香気成分であるレンチナンは抗腫瘍効果や免疫力上昇効果があります。
この中で特に重要なのは免疫力上昇効果です。
生後6か月以降には母体から継承した免疫が落ちて様々な病気になりがちです。
食事から免疫力向上ができれば、娘のためになるかな、とモチベーションがあがります。
本旨としては、娘が10倍粥だけでは後半飽きてしまい、野菜と混ぜて食べさせるなど工夫をしているなかで、おかゆにうまみを加えて、食べる喜びを味わってほしいということで、離乳食初期からあげられる椎茸出汁を作ってあげようと思います。
椎茸出汁について
通常の椎茸出汁の取り方は、他の出汁が煮だしてとるのと異なり、冷水から抽出します。
なぜその方法でとるのか、本当にその方法でとることがグアニル酸を最大化できるのかという研究をした人がいます。
研究によると、椎茸出汁を作るときに最も多くグアニル酸を抽出する温度と時間は――
1.干し椎茸と水を5℃の環境に5時間置いておく
2.65℃で20分加熱する(40-60℃帯をなるべく早く通過させる)
これが研究により導き出された最も多くグアニル酸を抽出できるとり方です。
1.の5時間というのは、それ以下の時間帯に比べて5時間の抽出量が多く、また5時間以上抽出しても大きな増加がみられなかったというところから、5時間置いておけば十分でしょということです。
レシピによくある、冷蔵庫で24時間置く、というのも5時間以上置いているからいいだけであって、別に6時間で使っても問題なさそうです。
しかし、加熱する際に注意が必要です。
40℃―60℃帯でヌクレオチド分解酵素が活性化します。この酵素はなんとグアニル酸を分解してしまいます。
なのでこの温度帯には長く居たくないですね。
一方65℃ー70℃帯ではリボ核酸分解酵素が活性化します。この酵素はグアニル酸の抽出を助ける酵素です。
なので、40℃ー60℃帯を速攻通過して、65℃で20分加熱するのがグアニル酸を最大化できる方法となります
参考:シイタケ中のグアニル酸に関する研究
ちなみに、昆布出しは60℃で60分、カツオだしをとるのは80℃に3分が最も良いそうです
理屈が分かっても、65℃でキープするのはなかなか面倒くさい。
でも、Anovaがあれば超簡単です。
Anova Culinary
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ではとってみましょう
材料
水 500ml
乾燥椎茸 10g
抽出を始める前に、Anovaを65℃でプレヒーティングをしておきます。
これを沸騰させて、アイスキューブに移して離乳食にします。
おわりに
昆布出汁に比べて少し手がかかるかもしれません。
ただ付きっ切りでなくてもいいので、そのあたりは心理的な負担は軽いと思います。
65℃になったときに立ち上ったかおりがものすごく食欲を掻き立てるいい香りだったので、若干のめんどくささが救われました。
参考資料
https://ci.nii.ac.jp/naid/110006992811